中山 弘 プロフィール

 茨城県土浦市生まれ。ホンダで四輪車の研究開発、RV商品戦略、ステップワゴンの企画提案、ホンダ2010年ビジョンの纏め、全社経営方針管理、ホンダ学園の経営などに従事。
 退職後、2008年から2030ビジョンプロジェクト主宰。2010年、厚労省「医療・介護・子育て・未来への投資」プロジェクト・アドバイザー、省内事業仕分けメンバー。
 2011年3月の東日本大震災以降は、福島県南相馬市の復興まちづくり支援に取り組んできた。埼玉県在住。

  私は閉塞感が漂う日本を何とか希望が持てる社会に変えたいと考え続けています。
その最初のきっかけは1997年に企業の2010年VISIONを検討し、将来への視点が大切と気が付いたことでした。さらに、2002年に本田宗一郎が創設した「ホンダ学園」という専門学校の経営に携わった際に、「教育は息が長い取組みなので、20年後の未来の社会像を描きそれに必要な教育を考えよう」ということで、学園の2030ビジョンを検討したことでした。これを考えるために、2030年の
世界や日本がどうなっているかを想定して行く中で、日本が抱える多くの問題・課題に気づき、こんな社会にしてはならないと感じました。

 2007年6月にリタイアしましたが、第二の人生は「若い人が未来に希望の持てる国の将来像を描き、実現する。」ことに捧げようと考えました。シニアの役割は、次の世代に良い社会を残すことです。そこで、退職後、一年間、社会や歴史を学んだ後に、2008年9月に“2030ビジョンプロジェクトを立ち上げました。そして日本が直面する様々な課題をスタディするとともにその解決策を考えてきました。
 同じように「国のありたい姿を考えたいと」思う人たちが集まってきて、2009年、2010年の二年間で30回以上の検討会やフォーラムを開きました。その中で、食とエネルギー、福祉と財政の両立、人が活き活きする社会づくり、未来を創る教育のあり方、など、さまざまなテーマを考えて参りました。
 
ところが、2011年1月から ビジョン原案とアクションプランを整理し始めたところで、3月11日に東日本大震災が起きました。
そこで、「20年先の日本よりも今の東北が大切だ」・・・という想いから、その直後から福島県南相馬市を中心に復興支援活動を始めました。 こちらの活動に注力するために、2030ビジョンプロジェクト自体は 2018年春までアイドリング状態となりました。
しかし、南相馬市での取組みが7年経って落ち着いたので、2018年夏から2030ビジョンを再開しました。
 このプロジェクトは、普通の市民が生活者の視点で「どのような社会を目指すのか」「そのためには何をすれば良いのか」「価値観とライフスタイルをどう変えていけばよいのか」などを、若い学生から年寄りまで、民間人も公務員も皆がフランクに語り合って共有していくところに価値があります。
 私も、この活動を通して多くのことを学びました。人は話し合うことで新たな知見を得ることができます。世代間格差に憤っていた若者も多くの高齢者のつつましい生活ぶりを知り、逆に、シニアもロスジェネ世代の辛い現状も理解しています。このプロジェクトの共通認識は、2030年にコミュニティーを軸として人々が支え合いながら心豊かに生きることが目指す姿であるということです。この時に、生活の基本となる、住まい、子育て、医療、介護、そして教育は誰でも受けられる。その上で、それぞれの人が多様な仕事を選択し、多様な生き方をしていくことが望ましい社会と考えております。
 
 このような考え方に賛同していただける方は、ぜひ“2030ビジョンプロジェクト活動に参加してください。フォーラム/シンポジウム、検討会、フリーミーティングなどいろんな進め方をしながら、皆で目指す将来像を考えていきましょう。その上で、具体的な活動と繋げながら実現していきましょう。

なお、最近は「きょういくの未来」を考える活動も進めており、おもにFacebookグループで、情報共有や意見交換をしながら、教育の進化に役立ったら良いと考えています。
 
どうぞよろしくお願いいたします。
   “2030ビジョン”プロジェクト 代表 
  中山 弘